居場所


自分が孫という存在でいていい場所がそこにあるということが
今の私にとってどれほどの救いだろうかと思う。
私の最近の美術の様子を気にしてくれたり、
会社ではどうしてるのかを聞いてくれたり、
小さい頃どうだったかとか、
おばあちゃんが何て言ってたかとか、
どんなことがあったって、ここに至るまでの自分を見ていて、
応援して来たんだよって全力で示してくれる人が
私の目の前で話しているということが、
いつでも味わえる当たり前のことではないんだと
そんなことはずっと前からわかっていたはずなんだけど、
心の奥まで染み渡る。

おじいちゃん特製の青リンゴサワーを飲みながら、
おじいちゃんのお母さんが作ってたレシピを思い出して煮たという蕗をつまみ、
近所の中華料理屋からラーメンを取って食べて、
お茶を飲みながらイカの煮物とか漬け物を味わったりする。

たくさんの些細な事の中に日常があって、
そんな日常こそが、一番愛しいのかもしれないと思う。
今日も寝て起きて、いつものように朝が始まって、
誰かが出かけて、夜になったらみんなが帰って来て、
ご飯でも食べながらくだらない話で笑ったりテレビを見たりして、
そんなことが続いて行く中で、人は命を受け継いで行って、
いろんな決断をしたり、旅だって行くのだろうと思う。

葬儀の時に祖母の妹は、おじいさんをよろしく頼むね、って私と妹に言ってた。
祖父は、自分の弟と、次の人生があるとしても
またお前と兄弟に生まれたいなと話したらしい。

家族という大きな波のような川のようなものの中に自分もいて、
長い物語の中の今に居合わせたのだと思うと何だか不思議な気持ちになる。
今は孫の立場の自分が、いつかおばあちゃんという立場になったりして、
また遠くに何かをつないで行くのだとしたら、
時間が流れて行くことも、人生というのも、
何だか悪くないのかもしれないと最近の私は思っています。
# by udanao | 2012-05-12 02:34 | life | Trackback | Comments(0)


3月にもう一人の祖母も向こうの世界に旅立ちました。
おばあちゃんと呼べる人がみんな遠くにいってしまったことに
実感がわかないと同時に、すごく時間が経ってしまったような
不思議な感じがします。
誰の人生にだって終わる時がいつかは来ると理解しているものの、
できるならそんなに頻繁にではなく、
もう一度四季が巡って、心が少し落ち着いた頃でも良かったじゃないかと
なんとなく納得がいかないような気がします。

良いことも悲しいことも全部自分に意味がある記憶になるし、
それが人生だというメールを韓国語でもらって、
本当にそうだなと思います。
私の乏しい語学力ではわからず、翻訳ソフトを使うという
ちょっとセコい方法で理解しましたが、
機械が訳してこんなに豊かな文章だということは、
韓国語がわかれば、どんなに世界が広がるのだろうと思います。

春が来る度に、もう12回目になる友達の命日を祈り、
色々話を聞けずに亡くなった祖父に思いを馳せ、
今年旅立った祖母達のことを思い、
季節の変わり目が切ないことに終わりはないけれど、
生きているということには大きな意味があるのだと思います。

早く新緑の季節が過ぎて、
半袖でも着て暑がりながら夜に散歩をするような、
そんな夏になったらいいなと思います。
# by udanao | 2012-04-25 15:30 | life | Trackback | Comments(0)
写真


すごく久しぶりに、ここ数年の写真を整理しました。

私にとって写真が魅力的なのは、時間を止めることによって
その流れを一番感じられる気がするからなのだろうと思います。
写真には、一枚一枚の中に流れている時間があって、
それぞれは画面の中で止まっているのに、
並べて見る時には、時間の密度をまとめて観察できるということが
とてもおもしろいのかもしれません。

あと数ヶ月したら、日本に戻って来て5年が経ちます。
アメリカにいたのと同じ長さの時間が過ぎ、
いろんな密度の瞬間があり、
その破片が写真の中にあるのだと改めて実感しました。

目の前にあるものを絶対に無くしたくないという気持ちで
写真に出会った頃から時が経ち、
今の私は、写真の中はもちろん、
人間の繋がりや現在の中にも
過ぎ去った時間や思いがあると考えるようになりました。

美術を通じて「時間の流れを観察したい」
と先日の個展で書きましたが、
その続きの展示をまた6月にやろうと計画中です。

どんなものになるのかわかりませんが、
観察を進めて行きたいと思っています。

時間について、何か私と語って下さる方がいましたら
ぜひお話ししましょうー。
# by udanao | 2012-02-13 02:15 | life | Trackback | Comments(2)
LOVE


先日祖母が亡くなりました。
倒れてから10週間ぐらいの間、みんなで病院に通い、
病室が祖母と家族を繋ぐ場になり、
いろんなことを話し、笑える思い出もたくさんできて、
そして最期はみんなが揃って見送れて、
とても10週間とは思えない時間の中で、
たくさんのことを考え、教わりました。
終わることなく、無限に続けばいいのにと心から願う気持ちと、
教わったことに感謝してこれからを生きていこうと思うことが、
きっと愛なのかもしれないと思います。

祖母が今どこにいるのかは私にははっきりとはわかりませんが、
暖かくて幸せな場所で、
向こうにいる家族や友達と再会していることを祈ります。

そんなことを考えながら描いた絵がグループ展に出ています。
妹の作品も一緒に出ているので、もし良かったらいらして下さい。
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Launchpad cafe & gallery
ランチパッドカフェ&ギャラリー
LAUNCH PAD企画グループ『LOVE』展

2012年2月4日(金)-2012年2月26日(日)
火/水/木 11am-8pm
金/土/日 11am-10pm
(最終日は7pmまで)
定休日:2月13日(月)/20日(月)

横浜市中区元町1-23-1 リバーサイドビル1F
詳細はこちら
地図はこちら
Tel:(045) 641-1511
*カフェでの展示につき1オーダーをお願いします。おいしいものがたくさんあります。
*都合により営業時間に変更がある場合があります。
# by udanao | 2012-02-08 00:10 | show | Trackback | Comments(6)
"my home away from home" 個展のお誘い


久しぶりの個展をします。
目の病気があったり、地震で弱って延期したり、
個人的にいろんなことがありましたが、
2年ぶりに展示ができることがうれしいです。

皆様といろいろと話をさせていただき、
今の自分が何を考えているのかを知って、
これからの楽しみを分かち合えたら幸せです。

ぜひ遊びに来て下さい。
私は会場に毎日はいませんが、
お知らせいただければ行けるようにしたいのでお知らせ下さい。
クリスマスや新年の横浜はきれいでおすすめですよー。
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Nao Uda/udanao solo show
"my home away from home"
Launchpad cafe & gallery

宇田奈緒 個展
「この向こうにあるもの」
ランチパッドカフェ&ギャラリー

2011年12月16日(金)-2012年1月6日(金)
火/水/木 11am-8pm
金/土/日 11am-10pm
(最終日は7pmまで)
定休日:12月19日(月)/26日(月)/31日(土)/1月1日(日)

横浜市中区元町1-23-1 リバーサイドビル1F
地図はこちら
Tel:(045) 641-1511
*カフェでの展示につき1オーダーをお願いします。おいしいものがたくさんあります。
*都合により営業時間に変更がある場合があります。
# by udanao | 2011-12-07 13:20 | show | Trackback | Comments(0)
where I am


いつ会っても見てもこの10年間先輩はずっと先にいて、
その場所にたどり着けるのはいつなんだろうと
思っては切なくなる。
今の自分がその方向に向かいたいと思える目標を見せてもらえることは幸せだと思うけど、
負けず嫌いの私は新しいことを始めたいのにどこからやっていいかわからず、
心から悔しいし、大人になりたいと思ってしまう。

いつもすごい作品を見せていただいてありがとうございます。

# by udanao | 2011-11-10 04:21 | me | Trackback | Comments(0)
時間


写真を撮る事が趣味だった方が
突然亡くなる前に撮った最後の一枚だという写真を拝見して、
そこに写る花の美しさが力強くてとても好きだと思った。

目の前にあるものが愛しくて取っておきたいから
どうにかしてカメラで写しとりたいという、
その基本的な気持ちが人がカメラを持つ理由なのかなと私は思う。

美術の歴史も作者の主張も「文脈」もとっても大きくて大事なんだけど
自分が生きていて、美しくて大事だと思ったものを
どうにかして失いたくないという
人間が持っている気持ちの中に、
私が考えていることのヒントがあるのだろうと感じる。

物事は永遠ではないから、
だからこそどうにかして永遠に似ているものに近づけようと
思うんだろう。

お会いしたことも無い私から突然ですが、
心よりご冥福をお祈りしています。
# by udanao | 2011-10-30 01:41 | learn | Trackback | Comments(2)
千代田芸術祭 2011のお誘い

3331アーツ千代田という廃校を改造したアートスペースで行われる
千代田芸術祭のグループ展とアートマーケットに参加することになりました。
絵と様々な小物を持って行く予定でいます。
絵の展示は9月3日から19日まで、アートマーケットは9月17日と18日の開催です。
アクセスが便利でおもしろい建物なので、ぜひ遊びに来て下さい!
私はJuriologyと一緒に17日と18日のアートマーケット(屋上)にいる予定です。
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「千代田芸術祭 2011」
【展示】2011年9月3日(土)-9月19日(月・祝)12:00-19:00
火曜休場/最終日9月19日(月・祝)は18:00まで
会場:3331 Arts Chiyoda メインギャラリー
【アートマーケット】
2011年9月17日(土)、18日(日)12:00-17:00
会場:屋上(雨天の場合は体育館)

詳細はこちら
アクセスはこちら

3331 Arts Chiyoda
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14

東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分
# by udanao | 2011-09-03 01:03 | show | Trackback | Comments(0)
見る


目に見えないものは想像や気持ちの中でとても大きくなり、
手に負えないほどに膨らんでしまうことがある。
本当はそれぞれが別の問題であっても、
全部が絡み合って一つの巨大な事柄のように見えて、
それが自分の人生を飲み込もうとしているようにしか
思えないこともあるんだろう。

時間の流れという不思議な解決法によって
数年前の問題は今の私にとっては少しは見やすく整理されているから、
今の私にとっての疑問点や好奇心も、
これから何年かした後の自分にとっては行き先が見えているものに
変わっているんだろう。
その積み重ねやつながりを人生というのかもね。

横浜トリエンナーレで久しぶりに荒木経惟氏の作品を見て、
何かを数十年続けて来た人の力はすごいと思った。
思いつきとかその場での爆発というようなものではなくて、
いろんなことがある中でずっと大切にそれを持ち続けていたんだと
誰が見てもわかるような、証拠のような宝のような作品だった。
その宝物を少しでも垣間見せていただけて、
その上これから生きて行くにあたって、
自分もそんなアーティストになりたいものだと
勝手ながら弟子気分にさせていただけるなんて
同じ時代に生きられて幸せだと心から感謝する。
また見に行こうっと。
チロちゃんと陽子さんがいつでもアラーキーを見守っていると
私は信じています。
# by udanao | 2011-08-11 00:46 | learn | Trackback | Comments(4)
美術について


自分がたった一人だと思うなんて身勝手だと言った人がいる。
ほんとは周りでたくさんの人がその人を大事に思っているのにって。

昨日のアートフェアの帰りにいろいろと美術について語って、
そして何だかすっきりした。
日本は謙遜と自分が特殊だという気持ちが入り乱れる中で、
日本が発信するものなんてたいしたことないんですよ、みたいな
よくわからない引け目を世界に対して感じつつ、
それでいて、ワビサビの世界は他の国の人にはわからないでしょう
というような変な排他的な気持ちを持っているのだと
アメリカの人に指摘された。
地震のことについてだって、もっと頼っていいんだよって。
助け合うためにお互い地球にいるんじゃないかって。

ずっと思って来たことをまとめると、
結局のところ、もはや日本らしいかとか
どこの国らしいかとかそういうことではなくて、
地球人として存在する人類が共通に味わえる
考えとか感情とかをすくって形にすることが
これからの私の美術にとっての大事なことなんじゃないかと思う。

私の人生に美術というものが関わっていることが
本当に幸せなことだと思う。
いろんなことが起きたり、解決しにくい問題が沸き上がったり、
どうしても変えられないことが起こったりするのが
人生が過ぎて行くということなんだと思うけど、
そんな中でいつでも自分の心の一番深いところに
美術を大事にする気持ちがあって、
それはつまり自分には言いたいことがあって
これからも堂々と生きて行きたいのだと信じるための
証拠のような勇気のようなものだから、
何で美術を始めたのかという一番風化させてはいけない事実を
作品を生み出すことで守って行くのではないかと思う。

3月には言えるわけないと思ったことを
そろそろ言ってみてもいいのではないかと思えてきた。
展示の方法を考えよう。

自分が何を考えているかなんてことは
周りの人の話を聞いて照らしてもらわない限り
よく見えないものですよね。
# by udanao | 2011-07-30 22:14 | life | Trackback | Comments(2)
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