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選ぶということ

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何か1つを選ぶということは、
もう一方を選ばないと決めるということだと、
前にある人が言っていた。
例えば、2つの選択肢の両方が、住み慣れた土地を離れて、
なにが起きるかもわからない知らない場所に行くというものだったら、
人は、その時選ばなかったもう一つの道について、
後からどのぐらい思いを馳せるのだろうと思う。

72年前に、ある2つの選択肢を迫られた人たちがいて、
片方は自分のルーツではあるけれど訪れた事のない国に行き、
もう一方は、生まれ育った国の中ではあるけれど外国人として扱われ、
収容所に集められたのだという話を聞いた。

そんな2つの選択肢を前に、
離ればなれになったとある2人の友人がいて、
もうそれ以降会うことはなかったけれど、
時間の流れと不思議な縁で、長生きをした片方の人と、
割と若くして亡くなってしまったもう片方の人の孫が会うことになる。

72年前の別れの前に、Kayeにノートにメッセージを書いてもらったんだよ
あんまりたくさんのものは持って移動できなかったから、
大切なノートとコインのコレクションのファイルを持って行ったんだ
と言いながらジョージさんは私と妹に祖父のサインを見せてくれた。
筆記体でWords fail meと書かれたそのページを3人で見つめながら、
これは、気持ちが言葉になりませんという意味だよと
ジョージさんが滅多に使わない日本語で訳してくれた。

今も昔も、いつだって、一番強い気持ちは言葉にはできなくて、
その時の雰囲気や時間の流れの一部を切れ端のようにして残すことしか
叶わないのだろうと思う。
それでも、私や妹にとっては実際に会った記憶がほとんどない祖父が、
確かにそこに存在したということがとても強く伝わって来て、
80年以上前に出会った友達のことをいつまでも大事に思っている
ジョージさんが、また遊びに来てねって言ってくれることも、
いなり寿司とお茶漬けをごちそうしてくれることも、
もう、何だか切なくて愛おしくて、
これこそWords fail meだよなと思いつつ、
もうすぐ祖父の生まれ故郷のバンクーバーに向かいます。
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by udanao | 2013-05-27 15:31 | life