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by udanao
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場所と文化

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まだ写真がない時代に、
写真に勝るほどのリアルさで絵を描いた人たちがいて、
そんな人たちが見ていた光や影は、
私が写真を撮る時に惹かれるものと、とても似ていた。

主人公の後ろに描かれている風景や、
ちょっとした室内の様子にも、
時代とか文化は溶け込んでいて、
アーティストが生きている場所や時間は
知らないうちに作品の一部になる。

日本人の、とかオランダ人の、とか
そういう区分はあえて気にする必要はないんだと思うけど、
ある文化の中で育って、
その空間の中の共通の認識とか常識とか、
そこに住む人が一緒に体感した歴史とか、
似たような考え方とかがまずあって、
その上で一人一人が体験した人生が生きてくるんだろうと思う。

フェルメールの絵の中に描かれた壁のタイルとか、
牛乳の容器とか壷みたいなものとか固くなったパンとか、
21世紀に生きてる私にとっては絵の中の世界でしかないけど、
当時のオランダの文化を知っていくと、
タイルは運河の湿気から家を守るためのもので、
メイドが家事をしている絵の中で上着の腕をまくっているのは
肌を露出して主人を誘惑するという目的があったりしたそうで、
その奥行きに驚く。
そして、その文化の中で絵を描いていたフェルメール氏にとっては
そんな一つ一つの要素が、
自分らしい絵を作り上げるための決断の結果であるわけで、
小さな1枚の絵に込められた情熱が愛しいと思う。

よかったら新国立美術館に行ってみてください。
音声ガイドを借りると、より熱く展示が味わえますよ。

*12/17まで開催中*
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by udanao | 2007-11-17 01:24 | art