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by udanao
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うけつぐ

うけつぐ_b0010191_23523972.jpg


いろんなことの反復が続いて行くというのが人生なのだろうと、
最近とても自然に思った。
繰り返すことは、変化して行くと共に、続けて行くことなのだろう。
去年の夏から、"the distance between the two"という
展示のテーマについて考え続けていて、
今日突然、そこにあるのは、結局自分じゃないかと思った。
二点の間にあるのは、つまりは自分で、
その距離感を動かすのも、測るのも、感じるのも自分なのだ。

こないだ行ったある駅が、初めて降り立ったはずなのに
とてもよく知っている場所のようで、
あー、私が考えている横浜というのは、きっとここだと思った。
そこには、祖父と似たようなイントネーションで話す
おじいちゃんがいて、
あのさー、それがさー、と横浜弁と言われるような話し方で
いろんなことを語るおじさんがいて、
祖母が作りそうな焼うどんでもてなしてくれる喫茶店があって、
何世代も前から受け継いで来た方法で活字を作って、
人類の知恵と歴史も織り交ぜて印刷をするような、そんな会社があった。

そこで出会った活字を作るプロは、
19歳の頃からもう45年もこれをやってるから、
少しは自分がやっていることをわかっているつもりなんだと
おっしゃっていた。
完璧な活字1個を生み出すために同じ文字を何個も何個も作り、
満足のいくものを選び出すという、そんな安心感がある。
理解するために50年もかかるものは、そう簡単に飽きないよって。

その後、偶然見つけて入った喫茶店では、
おじいちゃんとおばあちゃんがナポリタンや焼うどん定食を作ってくれ、
サラダやお漬け物とみそ汁とコーヒーと
デザートのイチゴミルク飴まで付けてくれて750円という、
そんな不思議な時間があった。

街を何度も歩くということが、
私が気になっているテーマのヒントになるのだろうと思う。
横浜という街が、自分の記憶とどれだけ繋がっているのか、
やっと何かわかり始めたような気がして、
カメラを手に、きちんと向き合ってみたいと思った。
by udanao | 2013-02-24 13:10 | learn